大判スキャンサービスを詳しく解説!料金相場・対応書類・業者の選び方

大判サイズの書類は事務所などにある一般的な複合機やスキャナーで読み取ることは難しいです。
そのため、大判書類のデータ化を諦めてしまう人もいるでしょう。
そんな時は、大判スキャン専門業者を利用してみてください。今回は、大判スキャン業者を利用するメリットやスキャン可能な書類、サービス選びのポイントなどをご紹介します。

大判スキャン専門業者が提供するサービスと利用するメリット

スキャン業者の中には大判書類に対応している業者があります。
対応の可否は業者ごとに違ってきますが、主に次のサービスやメリットがあるので見ていきましょう。

最大B0サイズまでのスキャンに対応

大判スキャン専門業者の場合、最大B0サイズまで対応していることが多いです。
B0サイズは1,030×1,456mmの用紙で、A判・B判の全てのサイズの中で最も大きなものとなります。
そのため、A0やB1、B2など、普通のスキャナーでは読み取れないサイズも対応可能です。

裁断せずにA0の製本図面のスキャンが可能

大判スキャン専門業者であれば、A0サイズの製本図面も裁断しないでスキャンできます。
通常、製本される書類はスムーズかつ綺麗にスキャンするために、糊付けされる背表紙を切り落とす、またはページを1枚ずつ分離するケースが多いです。
しかし、一度裁断すると元の状態には戻せません。

一方、裁断しないスキャンであれば、原本はそのままの状態で返却されます。
電子データ化後も原本を残しておきたい場合や貴重な書類も気軽にスキャンできます。

原本の保管・返却が可能

スキャン後の原本を保管、また必要な時の返却してくれるサービスを行っている業者もあります。
長期保存できない大判書類も段ボールでまとめて、もしくは1枚単位で保管してくれるので、保管スペースの削減に最適です。
さらに、セキュリティの高い保管場所で書類を安全に管理したい時や災害時に散逸を避けたい時などの目的にも適しています。

文書管理システムの構築まで対応

大判書類の電子データ化し、さらにデータベースに管理できるシステムの構築まで対応している場合があります。
まだ文書管理システムがない場合は、スキャン業者に相談してみましょう。

紙から電子データに変換すれば、検索可能なデータとしてコンピューターに保管可能です。
また、スキャンした書類データを社内で共有するためには、文章管理システムの導入が必要です。
システムの構築を行っている業者であれば、検索性・利便性・安全性・正確性などに配慮し、それぞれに最適なシステムを提供してもらえます。

大判スキャンサービスでスキャンできる書類

30-スキャン大判

大判スキャンサービスで対応している書類には様々な種類がありますが、業者ごとに対応できるものが異なります。
そのため、発注前にしっかり確認しておきましょう。
具体的には次の6つの書類に対応しているのでご紹介します。

図面

図面は建築や工事などに使われており、大判サイズで作成されることが多いです。
そこで、子データ化すればタブレットなどに共有でき、持ち運びや共有が容易となります。
また、必要な時に図面を再印刷することも可能です。

紙の図面は長期的な保管で劣化し、正確に情報が読み取れなくなる可能性もあるでしょう。
まだ情報が鮮明な状態で電子化すれば、ほぼ永久的に経年劣化を気にせず保管できます。

古い図面や詳細が少ない図面もスキャン後の画像からCADデータの作成・再編集できるようになるので便利です。

製本図面

現場に持っていく時や完成時の引渡し用の書類として図面を大判の製本にする場合があります。
スキャンサービスでは、ページ同士の間までびっしり引かれた図面も綺麗にスキャンすることが可能です。

業者の中には、製本を裁断せずにスキャンできる業者もあります。
一度裁断すると再製本は困難であるため、製本図面の対応力に強みがある業者を選ぶと安心です。

絵画

大きなキャンバスなどに書かれた絵画のスキャンも可能です。
グラデーションやハッチング、細密画の細部まで潰さず、高品質な電子データにできます。
作品が持つ独特の素材感や質感も残せます。

スキャン後のデータはポスターやカタログ、パンフレット、複製画などの印刷出力用のデータとして活用可能です。
業者なら、印刷用に最適な高解像度でのデータ化に対応できます。

さらに永く作品を残したい時は、データ化することで原画と二重で保管が可能です。
データはクラウドやデータ保管サービスによりバックアップを残せるので、災害などにより紛失リスクの軽減にもなります。

地図・ポスター

A4以上の大判に印刷された地図やポスターもスキャンサービスの対象となっています。
1点しか残らない貴重な地図やポスターもスキャンしておけば、高品質なままデータとして残しておくことが可能です。
さらに、再印刷や絵画のようにカタログ・パンフレット、複製画などの用途にも活用できます。

その他特殊な原稿

大判スキャンサービスでは普通紙だけではなく、青焼きや薄いトレーシングペーパーなどの原稿も綺麗にデータ化できます。
傷付きやすい用紙でも、特殊なフィルムに挟むなどして傷めずにスキャン可能です。

また、セロハンテープで張り合わせた用紙や洋服の型紙など、特殊な形状の用紙もスキャンに対応している場合があります。
特殊な原稿をデータ化したい時も大判スキャン業者に相談してみてください。

大判スキャンサービス選びでチェックすべきポイント

大判スキャンサービス選びでチェックすべきポイント

大判書類のスキャンは業者の利用が便利ですが、対応していればどこでも良いというわけではありません。
業者ごとに使っているスキャナー機能や技術力、セキュリティ体制、料金・納期などが異なります。
スキャンサービスを利用で失敗を回避するためにも、チェックポイントを確認していきましょう。

使用しているスキャナー機器

スキャンサービス業者のホームページで使用するスキャナー機器を確認しましょう。スキャナーには、主に次の種類があります。

フラットベット型

ガラス台に用紙を固定させ、光を当てながら読み取り装置を動かしてスキャニングする機器です。
原稿を傷めずに済み、製本された図面や冊子も全面均一に読み取れます。

大型フィーダー型

用紙を搬送しながら読み取るスキャナー機器です。
用紙の重さや搬送スピードにより読み取りが一定でなくなりやすく、さらに力加減によっては原稿が破損する可能性があります。
製本された書類のスキャンができないという点もデメリットです。

オーバーヘッド型

バッドの上に用紙を置き、上から光を当てながらカメラで撮影するスキャナー機器です。
書類とカメラが接触しないので用紙を傷めずに済みます。
ただし、A0サイズには対応していない場合がある、書類とカメラに距離があるので大判書類は端部分で歪みが出やすいといったデメリットがあります。

このようにスキャナー機器ごとに特徴が違うので、メリット・デメリットを確認しておくと安心です。
さらに、A2以上のスキャナー機器はとても高価なので、自社で保有せずに他の業者に再委託している業者も多いです。
その場合、再委託分の料金が上乗せされ、自社一貫体制の業者よりも料金が高くなるかもしれないので、その点も確認しておきましょう。

スタッフの技術力

スキャンする書類の中には重要な情報が記載されたものもあります。
そのような書類を適切に扱い、最適な品質でスキャンしてもらうためにはスタッフの技術力・知識の重要な部分です。

例えば、文書情報管理士の1級から上級資格を持たないとスキャン作業ができない案件もあるので、業者選定の目安にすると良いです。
文章情報管理士は文書管理のエキスパートとも呼べるので、電子データ化における法律や規格などを熟知しています。
スキャンの品質を担保する資格を持つ人がスタッフにいれば、適切な対応ができる業者と判断できるので保有資格の項目も記載があれば確認しておきましょう。

セキュリティ

本来は外に持ち出せない書類をスキャニングしてもらいたい時もあるでしょう。
情報の漏洩や紛失を避けるためにも、セキュリティが強固な業者を選んでください。

具体的には、プライバシーマークやISO27001、ISO9001といった認証規格の取得を確認しましょう。
これらのマークがあれば、セキュリティ対策や情報の取り扱い、品質の規格が一定レベルに満たしていることの証明となり、セキュリティや品質に徹底していると判断できます。

料金・納期

料金や最短納期は業者ごとに異なるので、料金も比較したい時は確認してください。
製本図面などを解体してスキャンする場合は、解体・再製本に5,000~1万円ほどプラスされます。

さらに、スキャン業者は200枚で1~2週間ほどの納期設定が基本となっています。
解体や再製本が必要、枚数がもっと多い時はさらに納期が長くなる可能性があるので、納期に希望があれば業者に確認を取ってください。

大判サイズの書類も電子化を

書類の電子データ化は保管スペースの削減になり、劣化しないので長期保管が可能となります。
さらに検索可能なデータにすれば、必要な時に素早く探し、閲覧などが容易にできるようになるので便利です。

契約書などのビジネス文書ではすでにデータ化が進んでいます。
しかし、図面などの大判書類はまだまだケースが少ないようです。
しかし、スキャンサービスでは大判も対応している業者もあるので、ぜひ活用して大判書類の電子化を進めてみてください。