紙詰まりは、コピー機を使用する中で比較的起こりやすいトラブルです。
紙詰まりを起こしやすいのは、自動原稿送り装置付近、側面カバー付近、給紙トレイの3箇所。
1回2回程度の紙詰まりであれば問題ありませんが、頻発するようならコピー機本体やコピー機の使い方に問題があるかもしれません。
本記事では、それぞれのケースごとに紙詰まりの対処法を紹介していきます。
自動原稿送り装置付近で紙詰まりが起こる原因
コピー機の自動原稿送り装置は、用紙を自動的に送りこむための機構です。
自動原稿送り装置付近で起こる紙詰まりの原因には、給紙ローラーの汚れや、コピー機を設置している環境などが挙げられます。
原因別の具体的な解決策を見ていきましょう。
給紙ローラーが汚れている
自動原稿送り装置の給紙ローラーが汚れていると、紙詰まりの原因になります。
給紙ローラーは、常に印刷した用紙を排出し続けているため、用紙についたインクなどが付着してしまうことがあるのです。
この場合、給紙ローラーの汚れを拭き取ることで紙詰まりが改善します。
拭き取る際には無水エタノールをつけた柔らかい布などを使用しましょう。
高温多湿や静電気で紙同士がくっついている
コピー機を設置している環境が紙詰まりの原因になることがあります。
高温多湿の環境や、極端に乾燥した環境では、湿気や静電気で用紙同士がくっついてしまい、紙詰まりを起こしやすくなります。
環境が原因での紙詰まりが頻繁に起こるのであれば、設置場所の見直しが必要かもしれません。
湿度の高さが原因であるなら、コピー機に内蔵されている除湿ヒーターの使用も有効です。
逆に極端に乾燥しているケースでは、印刷前に用紙の束をさばき、静電気を除去するなどの方法が有効です。
なお、コピー機のすぐ近くに加湿器やストーブ、ヒーターなどを設置しないよう気をつけましょう。
コピー機に不要な熱を与えてしまい、不具合を生じさせる原因になりかねません。
側面カバー付近で紙詰まりが起こる原因
コピー機の側面カバー付近で紙詰まりが起こる主な原因としては、用紙を送るローラーの汚れや劣化、折れた紙や裏紙の使用といった不適切な用紙の利用などが挙げられます。
用紙を送るローラーの汚れ
コピー機の内部には、用紙をスムーズに送るためいくつものローラーが使用されています。
インクや湿気などで、このローラーに汚れが付着すると、紙詰まりを起こしやすくなります。
ローラー部分が汚れている場合は、無水エタノールを含ませた柔らかい布で布で丁寧に拭き取りましょう。
裏紙や歪んだ紙を使っている
コピー機は、原則として、専用のコピー用紙の使用を想定して設計されています。
裏紙や歪んでいる紙など、不適切な紙の使用も紙詰まりの原因になります。
不適切な用紙を使用して故障した場合は、メーカーの保証を受けられなくなる可能性もあるため注意が必要です。
また、用紙自体は適切でも、汚れや折目がついているものを使用すると、紙詰まりの原因になります。
コピー機には、必ず新品の折り目等がついていないコピー用紙を使うようにしましょう。
これらの対処法を実践しても改善しない場合は、ローラー部分そのものの交換が必要かもしれません。
素人目には判断が難しいため、専門業者や保守担当に相談してみましょう。
給紙トレイで紙詰まりが起こる原因
用紙をセットしておく給紙トレイで起こる紙詰まりは、異物の混入、用紙の向きや量、乾燥などが主な原因です。
それぞれの対処法を解説します。
異物が混入している
給紙トレイに異物が混入していると、紙詰まりの原因になります。
混入しやすい異物は、用紙を挟んでいたクリップや、ホッチキスの針、セロハンテープや紙くずなどさまざまです。
ケアレスミスで起こるケースなので、紙をセットする際にはよく確認しましょう。
異物を発見した場合は、その場ですぐに取り除いてください。
対応していない用紙を使用している
裏紙や歪んだ用紙など、不適切な用紙の使用は、側面カバー付近だけでなく、給紙トレイにおいても紙詰まりの原因になります。
オフィスで使用しているコピー機であれば、不適切な用紙を使用しないよう社員に周知しておきましょう。
不特定多数の人が使用するコピー機なら、すぐ近くに使用可能な用紙の一覧や、非対応の紙について貼り紙をしておくのも有効です。
用紙が多すぎる・少なすぎる
給紙トレイには常に適切な量の用紙を補充しておきましょう。
多くのコピー機は、補充できる用紙の上限を定めています。
まずは、上限とされている枚数や量を確認しましょう。
必要以上に多くの用紙をセットした場合、一度に複数枚の用紙が送り出され、紙詰まりの原因になります。
少なすぎても紙詰まりを起こすので、用紙の残量はこまめに確認し、少なくなったら補充するようにしましょう。
乾燥しすぎている
乾燥している環境は、トレイでの紙詰まりの原因にもなります。
自動原稿送り装置付近のケースと同様に、乾燥によって発生する静電気で用紙同士がくっつき、一度に複数枚の紙が送られて紙詰まりを起すのです。
特に冬場は乾燥しやすいため、静電気によるトラブルが頻発しがちです。
用紙の束をセットする時にパラパラとさばくことで静電気を除去できるほか、静電気防止スプレーなどの利用も有効です。
紙詰まりが直せないときは保守契約先に連絡を
紙詰まりは比較的起こりやすいトラブルですが、無理に自分で解決しようとすると、事態の悪化を招くこともあります。
最悪の場合コピー機の故障にもつながるので、自身での対処が難しそうだと感じたら、無理をせずに保守契約先に相談しましょう。
引っ張っても取れない紙詰まりの場合
紙詰まりが起きた場合、紙を引っ張るとスルスルと抜けることが多いですが、引っ掛かって取れなくなるケースもあります。
詰まった用紙を引っ張っても取り出せない時には、無理やり取り出そうとせず、保守契約先を頼りましょう。
無理に取り出そうとすると、様々なパーツに負担をかけるため、部品の破損を招きます。
余計な修理コストの発生を防ぐためにも、専門家に任せた方が安心です。
紙詰まりを取ろうとして紙が破れた場合
詰まった用紙を無理やり引っ張ると、用紙が破れてしまうことがあります。
こうなってしまうと、破れた用紙の破片がコピー機の内部に残るため、そのまま使い続けることができません。
コピー機の内部は高熱を帯びていることもあるので、手を入れて破片を取り除く行為はたいへん危険です。
また、場合によっては、内部の奥で詰まっていることもあり、この場合素人に直すことは非常に難しいです。
自分でなんとかしようとはせず、保守契約先に連絡し、対応してもらいましょう。
コピー機の紙詰まりについてのまとめ
紙詰まりが起きた際には、業務に支障を出さないよう、可能な限り早く直したいと考えがちですが、安易な対応は事態を悪化させる要因になりかねません。
自身で対応できる範囲内なのかどうかを冷静に見極め、難しい場合には保守契約先を頼りましょう。