会社のオフィスなどで「これスキャンしておいて」と言われたことはありませんか?
ビジネスシーンなどでよく見られる光景ですが、スキャンの意味を正しく理解しているでしょうか。
ここではスキャンとは何か、スキャンの方法などについて詳しく見ていきます。
スキャン(scan)の意味とは?
スキャンとは英語の「scan」から来ています。
スキャンの意味として、大きく2通りの解釈があります。
・画像を読み込むこと
・パソコンのセキュリティ検査のこと
このスキャンの2つの意味について、以下で詳しく見ていきます。
画像を読み込むこと
スキャンの最初の意味として、「画像を読み込む」というものがあります。
冒頭に紹介した「これスキャンして」などは、画像の読み込みを意味することが多いです。
画像処理の手法の一つで、光学センサーなどを使って文書の表面の色を読み取ります。
そして一定の範囲をパソコンに画像データという形で取り込む行為です。
ちなみにこの画像読み取り装置のことを「スキャナ」や「イメージスキャナ」と言います。
画像の読み込みの意味合いの中には、ディスプレイの走査という解釈もあります。
ディスプレイ装置が左右、もしくは上下に順番の画面の描画をする作業のことです。
ちなみにこの操作の頻度をスキャンレートと呼びます。
一般的な機種であれば、大体毎秒数十回単位のスキャン動作を繰り返し行っていると言われています。
パソコンのセキュリティ検査のこと
もう一つのスキャンの意味が、セキュリティ検査のことです。
あらかじめ指定された対象を順番に検査する方式で、しらみつぶしに実行します。
これはパソコンに何らかのセキュリティ上の問題が発生していないか調査するために実施されるものです。
スキャンの結果、ウイルス感染や脆弱性が発見される場合もあります。
セキュリティ対策のために、ウイルス対策ソフトをお手持ちのパソコンに入れている人もいるでしょう。
このウイルス対策ソフトが起動して、コンピューターウイルスに感染していないかどうか定期的に検査します。
これもスキャンの一種で、正式には「ウイルススキャン」と言います。
スキャン(画像の読み込み)をする方法
スキャンの意味の分かったところで、具体的にどのような手順で行うかについて詳しく見ていきます。
ここでのスキャンのやり方とは、「画像の読み込み」という意味のスキャンを指します。
スキャナーを使う(複合機)
まずはスキャナーを使った方法について見ていきます。
会社にあるコピー機や複合機を使って行います。
まずはスキャンしたい書類をセットします。
機種によって若干違いますが、スキャナーの場合印刷したい方を上に、ガラス面の機種なら印刷したい方を下にセットします。
次にホーム画面のメニューの中から「スキャン」を選択しましょう。
保存先をどうするかのメッセージが液晶に表示されるはずです。
保存したいところを選択して、あとは「スタート」ボタンを押せば自動的にスキャンされます。
現在出回っている機種の中には、白黒もしくはカラーのいずれか選択できるものもあります。
スキャンが終了したら、きちんとスキャンできているかフォルダ内を確認して、問題なければ作業は完了です。
スマホを使う
スキャンは今ではお手持ちのスマホでもできます。
iPhoneユーザーであれば、メモアプリを使用すればスキャンが可能です。
メモアプリの中の「新規メモ」を選択しましょう。
するとキーボードの上にカメラのようなアイコンがあるので、こちらをタップします。
次にいくつかメニューが出てくるので、「書類をスキャン」をタップしましょう。
カメラが起動されるので、スキャンしたい文書をセットして「完了」→「保存」の順番にタップします。
Androidの場合、Googleドライブを使用してスキャンできます。
「+」→「スキャン」の順番でタップしていきます。
カメラでスキャンしたい文書を撮影したら「保存」をタップして、ファイル名を設定すれば完了です。
コンビニのコピー機を利用する
コンビニにあるコピー機を使ってスキャンする方法もあります。
コンビニによって若干手順に違いがあるかもしれませんが、基本的な流れはどこも一緒です。
ますマルチコピー機の液晶で「スキャン」を選択します。
データの保存先を決める画面になりますので、USBメモリーもしくはスマホを選択します。
ちなみにスマホの場合、iPhoneとAndroidを選択する画面に移りますのでお手持ちの機種を選択しましょう。
次にファイルをPDFかJPEGを選択する画面に変わりますので、PDFを選択します。
あとはスキャンしたい原稿をセットして、「これで決定」をクリックすれば自動的にスキャンされます。
もしスマホに文書を保存するのであれば、専用アプリを立ち上げます。
スキャンを選択し、接続番号を入力し、「保存スタート」をクリックしましょう。
スキャンサービスを利用する
スキャンサービスを利用する方法もあります。
スキャンサービスとは、業者にスキャンを代行してもらうサービスです。
専門業者にお願いすることで、正確なスキャンができます。
しかもファイルのタイトルや内容をもとにして検索できるので、探している書類もピンポイントでスピーディに見つかります。
また大判の書類をスキャンできるのもスキャンサービスのメリットです。
大判書類は一般的な複合機ではスキャンできませんが、代行業者であれば大型業務用スキャナーを持っているところも多いのです。
スキャンとコピーの違い
スキャンといわれると、コピーと何が違うのかと思う人もいるでしょう。
コピーは読み込んだデータを紙に印刷する手法です。
スキャンは読み込んだデータをパソコンに取り込んで、パソコン内で保存する方式です。
入力は一緒ですが、出力方法に違いが見られます。
スキャンしたデータの活用方法
パソコンにスキャンしたデータを取り込んで、どう活用するのかと思っていませんか?
実はいろいろな活用方法があるので、ここで代表的なものをいくつか紹介します。
自分のパソコンに取り込めるだけでなく、共有フォルダに保存したりメール送信したりで他の人と共有できます。
PDFやJPEGなどのファイル形式にデータ変換し保存ができる
複合機の多くには、スキャンした文書をPDFに変換できる機能が搭載されています。
紙の書類だけでなく、ExcelやWord文書をPDFに変換することも可能です。
PDFファイルはメールに添付して簡単に送信できるので、ファックスで送るのと比較して手間を大幅に省略できます。
また紙印刷分のコストを削減できるのもメリットです。
自分のパソコンに直接保存・送信ができる
コピー機や複合機でスキャンしたデータを自分のパソコン内に取り込んで保存することも可能です。
例えば紙資料が多くなってかさばっているので破棄したい、でも資料の中の情報が大事といった場合スキャナを利用しましょう。
スキャナで画像データをパソコンに取り込んでおけば、紙資料は破棄してもパソコンの中に情報は残ります。
オフィススペースの効率化を図りたいと思っているのであれば、スキャンしてどんどんパソコンの中に取り込んでおきましょう。
共有フォルダーに直接保存・送信ができる
複合機の保存先のメニューには、多くの場合「共有フォルダ/デスクトップ送信スキャン」という選択肢があります。
これはローカルのパソコンではなく共有のハードディスクやフォルダに保存できる機能のことです。
ネットワーク上の共有フォルダの中にスキャンしたデータを保存すれば、メンバー間の情報共有もスムーズになります。
従来なら全員に大事なデータを共有するためには、紙資料を配布する、もしくは全員にメールを送らなければなりませんでした。
しかしこの共有フォルダを利用すれば、それぞれフォルダにアクセスしてもらって情報共有できるので効率化が図れます。
スキャンしたデータをe-mail送信できる
スキャンしたデータはメールで送信することもできます。
パソコンにデータを取り込んで、メールに添付して送信する方法もあれば、複合機から相手のメールアドレスを入力して直接送信する方法もあります。
直接メール送信できれば、業務効率化が図れます。
データをスキャンしてすぐに得意先や外出中の社員にメール送信でき、情報を共有できるわけです。
スキャンを有効に活用しよう
スキャンをすることで、直接みなさんのお手持ちのパソコンの中にデータを取り込んだり、共有フォルダで保存したりできます。
紙資料のようにかさばる心配もありませんし、すぐに情報を共有できます。
複合機のスキャナのほかにもスマホやコンビニでのスキャンなどいろいろな方法があります。
素人がスキャンをする場合、文書をうまくデータ化できない、資料が大きすぎてスキャンできないケースもあるでしょう。
スキャン代行業者がありますので、こちらに依頼するのも一つの方法です。