スキャンの仕方と取り込みの注意点とは?スキャナーの使い方についても紹介

文書をスキャンしてパソコンに取り込むことで、紙資料を破棄して省スペース化が可能です。
しかしスキャンの仕方や取り込みの方法についてよくわからないという人もいるでしょう。
そこで今回は、スキャンの読み込みの手順や注意すべきことについてまとめました。

スキャンの仕方・手順と設定の詳細

スキャンの仕方・手順と設定の詳細

初めてスキャンをする時は、複合機の使い方やスキャンの設定に戸惑うものです。
原稿をスキャンする手順、画質や解像度・ファイル形式などの詳細を分かりやすくまとめました。

基本情報の確認と共有フォルダ・アクセス権等の設定

スキャンをする際、まず保存先となる共有フォルダの作成や宛先の登録など、スキャナーの設定が必要です。

下記の記事で、設定方法を細かく解説しています。
まだ設定をしていない方は、まずこちらの記事を確認して初期設定を完了させてください。
設定方法と併せて、外部メディアへの保存方法や、スキャンデータの送信方法なども解説しています。

>スキャンの設定方法を解説!スキャンしたデータの保存先は?

原稿をスキャンする手順

初期設定が終わったら、実際に原稿をスキャンしていきます。
設定さえ終わってしまえばスキャン自体の手順は以下の通り簡単です。

  • 原稿送り装置(ガラス面)文書をセットする
  • 操作パネルから宛先表⇒宛先を選択
  • スキャン設定(カラー・画質など)をする
  • スタートボタンを押す

折れ曲がっている原稿やしわのある原稿などは、自動原稿送り装置にセットすると紙詰まりの原因になります。ガラス面にセットしましょう。

選択できるカラー

ここからはスキャン時の画質やファイル形式の設定に関する詳細を解説します。
まずカラーについて見ていきましょう。
カラーには、主に以下の3種類があります。

  • フルカラー
  • 白黒
  • グレースケール

それぞれについて以下で詳しく解説します。

フルカラー

フルカラーは、一般的によく知られているカラー設定で、原稿のさまざまな色をそのまま表現できる点が特徴です。
写真等の色鮮やかな原稿のスキャンに適しています。

RGBカラーとも言われ、現在主流の方式では、「赤」「緑」「青」をそれぞれ256通りで表現するため、計16777216通りの色が再現できます。
色情報が生じる分、後述のグレースケールや白黒よりもデータ量は大きくなります。

白黒

白と黒2色のみを使う方式です。
基準点となる濃度を境に白と黒に分かれる仕様で、色情報なども非常に少ないためデータ量が小さくなるのが特徴。

主に文字のみの文書などで使用するのがおすすめです。
ちなみに白と黒の基準点は「閾値」と言い、手動で調整できます。

グレースケール

グレースケールは、白黒と同様黒のみを使うカラーですが、グレーを使って原稿の濃淡を表現します。
グレーを使って256段階の濃淡の表現ができるため、白黒よりも豊かな仕上がりになります。

文書に時々写真が挿し込まれている時などに利用するのがおすすめです。

保存できるファイル形式

電子データ化した文書は、さまざまな形式で保存できます。
ただ、ファイル形式は種類が多く、違いがよくわからない人も多いでしょう。
スキャンの際に使用されるファイル形式の特徴をまとめました。

PDF

文書のデータ化に適したファイル形式です。
Acrobat Readerという無料ツールを使えば簡単に閲覧が可能。
OSを選ばず、ほぼすべての端末で閲覧できるのが大きなメリットです。

JPEG

写真のデータ化に適したファイル形式です。
1,677万色が使え、圧縮率が高いため、色鮮やかな画像や写真もデータ量を抑えて保存できます。
ただし、上書き保存のたびに圧縮・画質の劣化が生じます。

TIFF

TIFFは印刷物などによく使用されるファイル形式です。
JPEGと同じく表現できる色の数が多いのが特徴。
圧縮しないため超高画質でデータサイズも大きくなります。

TIFFの特徴やJPEGとの細かな違いについては下記の記事で解説しています。

>TIFF形式でスキャンするメリットとは?JPEG保存との違いも紹介

BMP

BMPは「Microsoft Windows Bitmap Image」の略で、Windowsの標準画像フォーマットです。
高画質・非圧縮という点でTIFFと似ています。
現在は他の優秀なファイル形式が多く、使用されることは少なくなりました。

XPS

マイクロソフトが開発した、PDFに似たファイル形式です。
閲覧するためにはMicrosoft XPS Viewerが必要です。

Word

Microsoft officeのWord形式で保存することも可能です。
スキャン後の編集を前提とした文書のスキャンなどにおすすめです。
ちなみにWord形式で保存したスキャンデータは、簡単にPDF化できます。

Excel

Wordと同様に、Excel形式での保存も可能です。
こちらも編集を前提としたスキャンの際に有効で、文字のみではなく表などが文書に含まれているケースで活用できます。

xdw

「DocuWorks」の拡張子で、富士ゼロックスのスキャナーでのみ使用できるファイル形式です。
xdwで保存するとDocuWorks上で文書を保管でき、電子データ化した文書にPCから書き込みができるほか、データを机の上に並べるように整理できるのが大きな特徴です。
PDFへの変換も可能なので、社外の人への共有も問題ありません。

解像度の設定

解像度は「dpi」という単位で表記されます。
dpi値が高いほどキメの細かい画像になります。

通常のスキャンでは300dpiに設定するのが一般的です。
ただし、サイズを大きくしてスキャンする場合は600dpi、ディスプレイ表示のみであれば96dpiなど、用途によっても最適な解像度は異なります。
また、解像度が上がるほどデータサイズも大きくなるため注意が必要です。

以下の記事でスキャン時の最適な解像度について詳しく解説しています。

>スキャンするときの解像度はどうしたらいい?用途に合わせて調整しよう

画質調整

読み取り濃度・コントラスト・彩度など、画質に関わる数値を調整できます。
特にフルカラーでスキャンする場合は、好みの仕上がりになるよう細かく設定するのがおすすめです。

また、文書をキレイにスキャンしたい場合に重宝する「地色除去」「裏写り防止」などが用意されているスキャナーもあります。
これらの活用シーンについては以下の記事で詳しくまとめています。

>スキャン時の裏写りを改善する方法

>スキャンの際に地色を除去する方法|背景色のみを薄くして見やすくスキャンする

読み取り方法

原稿を読み取る際の倍率を選択できます。
デフォルトでは100%(そのまま)となりますが、目的や原稿の状態に応じて定型変倍・ズーム・自動などが選択可能です。

また、倍率だけでなく、穴が開いている原稿や本などをスキャンしたときの影を消してくれる「わく消し」という設定もあります。

スキャンを行う上での注意点

スキャンを行う上での注意点

スキャンを行うにあたって、いくつか注意すべきポイントがあります。
特に注意したいのはファイルの形式や機種による操作方法の違いなどについてです。
以下で詳しく見ていきますので参考にしてみてください。
ちなみにスキャンできない場合には下記の記事を参考にしてください。

スキャンしたファイルの形式に注意する

スキャンしたファイルは、保存できる形式が限定されています
機種によって多少異なるかもしれませんが、PDFとXPS、Word、Excel形式なら対応している機種が多いです。
PDFとXPSについては複数ページ・シングルページのいずれにも対応しています。

ただしWordとExcelについては、カラーモードで自動かフルカラー、グレースケール、300dpiに設定された解像度のものであれば可能です。
また白黒のものであればTIFF、カラーデータの場合JPEGがおすすめです。
なおTIFFの場合、ソフトウェアによっては複数ページが開けないこともありますので注意しましょう。

そのほかには富士ゼロックスの複合機を使っているのであれば、DocuWorksという形式も選択肢になります。
専用のDocuWorks Viewerで開けます。
こちらのViewerは富士ゼロックスから無償で提供されています。

データの容量によってはスキャンできない

文書をスキャンする場合、大容量のデータだと問題が発生するケースも出てきます。
特にスキャンデータの解像度が高すぎると、スキャンがうまくいかなくなりがちです。

この場合には読み取りの解像度を下げてみましょう。
複合機の画面に読み取り条件の項目がありますので、こちらで設定し直せます。
そのほかには高圧縮PDF機能を利用するのも選択肢の一つです。
最大1/10まで容量を圧縮できます。

メーカーによってのスキャンの取り込み手順や操作方法が異なる

ここまで見てきた手順で、大抵のスキャナーではスキャンできます。
しかし細かなスキャンの取り込み方法や操作のやり方は機種によって異なります

初めての場合は添付されているマニュアルを確認しましょう。
そしてマニュアルの手順に従って、作業を進めていくことです。

スキャンの方法や手順のまとめ

ここではスキャンの方法やパソコンへの取り込み方法などについて解説しました。
設定方法などで、少し複雑な手順のものもあったかもしれません。
ただ、慣れてしまえば、スキャンの方法はそれほど難しくはありません。
一度覚えれば、同じ条件で何度も繰り返しスキャンできます。

機種によって細かなスキャンの方法が異なるため、上で紹介した方法をベースにしながら、各モデルのマニュアルなどを確認してください。