オフィスの移転準備&スケジュール!やるべきことを徹底解説!

オフィスの移転に伴い、まずなにをすべきか悩んでいる企業経営者、担当者の方は少なくないでしょう。
オフィスの移転を成功させるには、事前の計画と入念な準備が重要です。
本記事では、企業がオフィス移転を成功させるにあたりやるべきことを詳細にまとめました。
やるべきことをきちんと把握し、計画的なオフィスの移転を進めましょう。

オフィスの移転でまずやることは【スケジュール組み】

サラリーマン

何をするにしても、事前のスケジュール組みは大切です。
きちんとスケジュールを組んでおかないと、行き当たりばったりになってしまい、非効率的な移転になってしまいます。
まずは、オフィスの移転における正しいプロセスを詳しく解説しましょう。

移転プロジェクトの担当者を決める

企業やオフィスの規模にもよりますが、効率的に移転を進めたいのなら移転プロジェクトを立ち上げましょう。
移転プロジェクトを立ち上げ、担当者やメンバーも決めてください。

オフィスの移転は、選任した責任者とチームメンバーを中心に進めます。
より効率的に移転プロジェクトを進めるのなら、指揮系統も明確にしておきましょう。

具体的な移転計画を立案し実行に移すことがプロジェクトチームの目的ですが、その前に経営陣の考えや社員の意見を収集してください。
経営陣や社員の総意を無視してプロジェクトを進めようとしても、必ずほころびが生じます。
思いや意見を参考にしつつ、プロジェクトへ反映しながら進めましょう。

現在のオフィスの問題点と新オフィスのイメージを確認する

オフィスを移転する目的は企業によってさまざまです。
より快適な環境で働けるオフィスを目指したい、コストを削減したい、コミュニケーションがとりやすい職場にしたいなど。
明確な目的が決まっていないのなら、現在のオフィスが抱えている問題を抽出しましょう。

問題点が明確になれば、新たなオフィスづくりの方針が見えてきます。
たとえば、各部署が離れすぎていてコミュニケーションがとりにくい、共用部分が少なく部署間の交流を妨げているなど。

プロジェクトメンバーはもちろん、社員にも意見をヒアリングしつつ、現状のオフィスが抱える問題をリストアップしてください。
そのうえで、新オフィスのイメージをクリアにします。
新たなオフィスのイメージが明確になれば、どのような物件を契約すればよいのか、何がどれくらい必要なのか、といったこともわかります。

移転スケジュールを決める

効率的なオフィスの移転を実現するにあたり、もっとも重要なプロセスのひとつがスケジュール決めです。
行き当たりばったりで非効率な移転とならないよう、最終的な期限から逆算してスケジュールを組み立てましょう。

まずは、大まかなスケジュールを組み立てます。
「6ヶ月前までにやるべきこと」「3ヶ月前にやるべきこと」のようにわけてスケジュールを組み立てるのです。
それぞれのフェーズにおいてやるべきことを、事前に抽出しリストアップしておくことも大切です。

フェーズごとのToDoリストを作成しておけば、進捗管理をしやすくなるメリットがあります。
やるべきことをリストアップし、終わった段階でチェックを入れていけば、ある程度の進捗状況把握と作業の漏れを防げます。

オフィス移転のスケジュール

電卓オフィスの移転においてやるべきことはたくさんあります。
現在のオフィスを退去する前には、契約内容の確認や解約予告、原状回復の工事依頼などが必要です。
新オフィスへの移転に向けて、新たな物件のリサーチやレイアウト構想、マニュアル作成やスケジュールの周知、関係省庁への連絡、社外への周知もしなければなりません。
各タスクをどのタイミングまでに終わらせておくべきかをまとめました。

現在のオフィス関連 新オフィス関連
移転6ヶ月前 移転計画の立案
物件の解約予告
物件の選定と契約
引越し業者の選定
移転3ヶ月前 原状回復工事の依頼 オフィスのレイアウト構想
移転マニュアル作成
移転1ヶ月前 産廃回収業者の選定・依頼 関係省庁への連絡
社外への周知

現在のオフィスを退去するまでにやること

まずは、現在使用しているオフィスの契約内容を確認しましょう。
内容の確認後、不動産業者や大家へ物件の解約予告を行います。
契約内容によりますが、多くの場合原状回復を求められるため、必要に応じて工事業者の選定と依頼もしなければなりません。

契約内容の確認と解約予告

賃貸契約を交わしてオフィスを借りているのなら、契約書の控えがあるはずです。
解約に関する決めごとも記載されているため、必ず内容を確認しましょう。

法人の使用するオフィスの場合、一般的な個人の賃貸契約と内容が異なるケースも少なくありません。
解約する時期によっては、違約金が発生する可能性もあるため、きちんと確認しましょう。

また、賃貸物件から退去する際には、原状回復を求められるケースが一般的です。
どこまで原状回復を求められるかも、契約内容により大きく異なります。
原状回復をしなければならない範囲により、移転の予算が大きく変わってくるため注意が必要です。

なお、オフィスの解約予告は6ヶ月前までに大家や不動産会社などへ提出しなければなりません。
オフィスの規模によっては、3ヶ月前でも問題ないケースがありますが、早めに提出しておいたほうが安心です。

原状回復工事の依頼

賃貸契約を交わして借りているオフィスは、あくまでオーナーからの借りものです。
そのため、退去の際には元通りの状態に戻さなければなりません。
これが原状回復と呼ばれるものです。

ただ先述したように、どこからどこまで原状回復をしなければならないのかは、契約内容によって大きく異なります。
一般的な賃貸契約では、経年劣化に伴う摩耗や損傷などは原状回復の対象になりません。
壁紙の変色や自然災害による外壁、ガラスの損傷、水道配管の劣化などは、原状回復の対象外となることがほとんどです。

一方、故意に床や天井を傷つけた、オーナーや管理会社の許可を得ずにリフォームを行った、といったケースでは高い確率で原状回復が求められます。
故意ではなくとも、使用者の不注意による損傷は原状回復の対象となることが多いため、注意が必要です。

契約書の内容をもとに、原状回復をしなければならない範囲を確認できたら、業者を選定し見積もりをとります。
見積もりの内容に納得したら、工事の依頼をする流れです。

新オフィス移転に向けてやること

新たなオフィスのリサーチや選定を行うほか、新オフィスのレイアウト構想、業務を始められるよう準備もしなければなりません。
スムーズな移転を実現するためマニュアルを作成し、社員へのスケジュール周知、関係省庁や社外への連絡、周知も行います。

ペーパーレス化を完了させる

ペーパーレス化とは、紙の書類をスキャンして電子データとして保存すること、また電子データで書類作成・運用ができるシステムを構築することを言います。
昨今はテレワークの普及の影響もあり、ペーパーレス化を推し進める企業が増加中。
オフィス移転を機にぺーパーレス化に踏み切る企業も多くあります。

ペーパーレス化するのであれば、最低でも退去前までに紙書類のスキャン・電子化までは終わらせておきましょう。
そうすることで、紙書類の運送コストや新オフィスの書類保管用スペースの削減ができます。

>社内の書類ペーパーレス化で何が変わる?メリット・デメリットや進め方を解説!

新オフィスのリサーチと選定

新たなオフィスとなる物件を探します。事前に新オフィスの選定条件をまとめ、それをもとに物件を探しましょう。
選定条件を明確に絞り込めていないのなら、以下を参考にしてください。

  • 立地

新たなオフィスを選ぶにあたり、立地は重要なポイントのひとつです。
立地が悪いと、社員が通勤しにくくなるほか、取引先の担当者やクライアントも足を運びにくくなってしまいます。
最寄りの駅やバス停、周辺施設なども確認しながら選定してください。

  • 予算

事前にある程度の予算を決めておくと、物件の選定がスムーズです。
ここでの予算とは、新たなオフィスを借りるのに必要な初期費用と、ランニングコストです。
賃料や共益費、敷金、礼金、保証金、更新料、預託金などが挙げられます。

  • 設備

契約する物件に、どのような設備が整っているのかも重要なポイントです。
電話回線の数や空調設備の有無、位置、電気容量など。
オフィス使用に適した設備が整っていないと、別途設備工事費用が発生するため予算をオーバーしてしまうおそれがあります。

  • 面積

社員の数に適した面積かどうかも、選ぶうえで重要です。
社員数に対し狭すぎると快適性を失ってしまい、生産性の低下につながりかねません。

逆に広すぎると、スペースをムダにしてしまいます。
物件によって間取りや形状なども異なるため、必ず内覧は行いましょう。

新オフィスのレイアウト組みと準備

新たな職場となる空間の、どこに何を設置するのかを立案し準備します。
具体的には、以下のことを行いましょう。

  • 内装やレイアウトプランの作成

入居してすぐ利用できる状況なら問題ありませんが、基本的には内装工事が必要となるケースがほとんどです。
床や壁紙などをどうするか、デスクやOA機器などをどこへ設置するのか、といったプランを作成しなければなりません。
レイアウトを決めるときは、社員の動線も考慮しながら作成しましょう。

  • 引越し業者や内装業者の選定

オフィスの引越しは、一般家庭の引越しとは異なるため、オフィス移転の門業者へ依頼することをおすすめします。
予算が決まっているのなら、複数の業者をピックアップしたうえで見積もりをとりましょう。

  • 必要なOA機器や家具の手配

パソコンや複合機、コピー機などのほか、デスクやチェアを用意しなければなりません。
事前に考えたレイアウト構想をもとに、OA機器や家具を選びます。
サイズによってはレイアウト崩れが起きる、オフィスに入らない、といったことが起こりかねないため注意が必要です。

移転マニュアルの作成&スケジュールの周知

オフィスの移転をスムーズに進めるため、マニュアルを作成します。
部署ごとの役割分担やスケジュール、機器や家具の運び方、梱包方法なども記載しておくと親切です。
また、スケジュールを全社員へ周知させなければなりません。
社内ネットワークを利用したメール配信やプリントの配布などで、スケジュールを周知させてください。

関係省庁への連絡

移転前には、消防署や郵便局への届出が必要です。
以下、移転前に提出が必要な書類をまとめました。

  • 防火・防災管理者選任届出書
  • 防火対象物工事等計画届書
  • 消防計画作成届出書
  • 対象物使用開始届出書
  • 郵便物届出変更届

 

移転後に提出が求められるのは、以下の書類です。

 

  • 本店移転登記申請書
  • 事業年度・納税地・その他の変更異動届出書
  • 給与支払事業所等の開設・移転・廃止届出書
  • 事業開始等申告書
  • 適用事業所所在地・名称変更届
  • 労働保険名称・所在地等変更届
  • 就業規則変更届
  • 時間外労働に関する協定届
  • 労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書
  • 労働保険関係成立書
  • 雇用保険事業主事業所各種変更届
  • 自動車保管場所証明

 

社外への周知

オフィスが移転したことを社外の関係者へ周知させていないと、取引先の担当者や顧客が古い住所の事業所へ足を運んでしまうかもしれません。
このようなことが起きないよう、社外への周知をしっかりと行いましょう。
具体的には、以下の2つを徹底してください。

  • 取引先への連絡

取引先へは、忘れずにオフィスが移転した旨を知らせましょう。
住所や電話番号を伝え、社名や事業所名が変更になったときはその旨も伝えます。
取引先へ連絡していないと、古い住所へ請求書や発注書などが送られてしまうおそれがあるため注意が必要です。

  • メールやHP記載内容の変更

メールやHPには、住所や電話番号などが記載されているため、忘れず変更します。
HPなら、新着情報としてオフィスが移転したことを記載するのもよいでしょう。
会社概要やアクセスなどのページも、移転先の新たな情報を記載し直してください。

オフィス移転を成功させる3つのポイント

オフィスの移転をスムーズに進め、成功させるため以下3つのポイントを改めて押さえておきましょう。

  • 移転の目的や要望を明確にする
  • 各種申請、変更期限をおさえる
  • 社内外で役割分担する

まずすべきことは、オフィスを移転させる目的や要望を明確にすることです。
オフィスのレイアウトや配置する設備機器にも影響するほか、職場環境にも関わるため重要なポイントです。

移転前と移転後に、各種省庁へ提出する書類を確認し、いつまでに提出しなければならないかも押さえておきましょう。
社内できちんと情報共有をしつつ役割分担を行い、業者の選定も余裕をもって進めてください。
時期によっては、引越し業者や内装業者が繁忙期に入ってしまい、手配できなくなるおそれもあります。
これらのポイントをきちんと踏まえ、ムダのないスムーズなオフィス移転を実現してください。