多様な働き方を選べる世界を実現するための働き方改革。
その一環として、テレワークを導入する企業が増加しています。
では、テレワークが中心となった企業において、オフィスはもう不要な存在なのでしょうか。
本記事では、テレワークを推進する企業におけるオフィスの作り方や、サテライトオフィスの概要、メリットなどについて解説します。
テレワーク中心の会社のオフィスの役割
テレワークが中心となった企業の場合、オフィスは業務を行う場所ではなくなります。
では、完全に役割を失ってしまったかというと、決してそうではありません。
意見交換や議論、気軽なコミュニケーションをとれる場所としての役割を担うのです。
意見交換・議論をする場所
テレワークの環境下では、社員同士による意見交換や議論をしづらい現状があります。
もちろん、コミュニケーションツールを活用すれば、複数メンバーで議論を交わすことは可能ですが、お互いの表情がよく見えず、熱のこもった議論をしにくいのも事実なのです。
そこで、テレワークを導入している企業の多くが、オフィスを意見交換や議論をできる場として活用しています。
直接社員が顔を合わせることにより、活発な議論やアイデアの創出が期待できるのです。
また、経営陣から経営戦略やミッション、ヴィジョンを伝える場として、オフィスを活用しようとする動きも出ています。
経営陣や上司が、部下たちへダイレクトにメッセージを伝えられるため、企業の目指すところを共有し、事業のパフォーマンス最大化を図れます。
気軽なコミュニケーションが取れる場所
テレワークにおいて、もっとも懸念されることのひとつが、社員同士のコミュニケーション不足です。
コミュニケーション不足による伝達ミスが生じ、業務が二度手間になってしまうケースも少なくありません。
オフィスを、社員同士で気軽にコミュニケーションがとれる場所にすれば、こうした問題を改善できます。
関係性が浅い人とも顔を合わせることで気軽に会話ができ、雑談を通じて相手の考えを読み取りやすくなるメリットもあります。
相手の表情や態度から気持ちを読み取れば、考えを把握しやすくなり、ムダな業務の発生を回避できるメリットも得られるでしょう。
オンラインでは難しい、中身の濃いコミュニケーションが可能となり、業務効率を高められるメリットがあります。
働き方の選択肢の一つ
テレワークの導入により、すべての社員がメリットを得られるわけではありません。
快適な環境で1人黙々と業務をこなせる方もいれば、集中できずかえって業務効率が低下してしまう人もいます。
たとえば、小さな子供がいるケースです。
このようなケースでは、子供の遊んでいる声が集中を乱してしまう可能性があります。
テレビ電話で会議をするときも、子供の声が入りこんでしまうかもしれません。
また、人によっては自宅ではどうしても集中できず、ダラダラと業務に携わってしまう方もいるでしょう。
このような方に対応できるよう、企業はオフィスでも働ける選択肢を用意してあげる必要があります。
コワーキングスペースやサテライトオフィスを設置するなど、社員の多様な働き方を構築してあげなくてはなりません。
オフィスの縮小・テレワーク用のサテライトオフィスを導入する企業の増加
テレワークを導入する企業が増加するのに伴い、オフィスの縮小やサテライトオフィスを設置する企業も増えています。
オフィス縮小の動きが活発化している理由や、サテライトオフィスの需要が高まっている事実も把握しておきましょう。
オフィスを縮小する企業が増えている
テレワークなら自宅で業務ができるため、従来のようなオフィスが不要です。
そのため、オフィスを縮小しようとする動きが活発化しているのです。
ほとんどの社員が出社しないのに、オフィスをそのまま所有していても、いたずらに賃料が発生し財政を圧迫してしまうからです。
実際、都心のオフィスビルでは空室率が上昇しているといわれています。
都心のオフィスビルなら、賃料だけでも1ヶ月に数十万円、数百万円かかります。
社員がほぼ出社しないオフィスなのに、従来と変わらない賃料を払い続けるのは普通に考えてデメリットです。
オフィスを縮小すれば、賃料や電気代、水道代、業務に必要なOA機器のリース費などあらゆる費用のカットが可能です。
こうした理由から、テレワークへ移行した企業の多くがオフィスの縮小化を進めているのです。
サテライトオフィスの利用増加も
近年では、サテライトオフィスを活用する企業も増えてきました。
主に、社員の多様な働き方を実現するために、サテライトオフィスが活用されています。
サテライトオフィスは、自宅とオフィスの中間に位置するものです。
自宅ほどの自由度はないものの、オフィスほどさまざまな部分で縛られることもないため、比較的自由な働き方が可能です。
サテライトオフィスには、郊外型や都市型、地方型などがあります。
郊外型は都市部から離れた場所に設置され、社員の通勤時間短縮、ワークライフバランスを整える効果が期待できます。
都市型は、本社や支社の近くに設置され、もうひとつの営業拠点として活用できることが特徴です。
地方型は、地方に構える拠点で、優秀な人材の確保が可能となる特徴があります。
サテライトオフィスの需要が高まっている理由
政府の主導する働き方改革の推進により、企業は社員が多様な働き方を選べるよう対策しなければならなくなりました。
これが、サテライトオフィスの需要が高まっている理由のひとつです。
また、いまだに収束の兆候が見えない新型コロナウイルスの猛威も、サテライトオフィス需要が高まっている理由と考えられます。
新型コロナウイルスの驚異により、多くの企業はテレワークへ移行せざるを得なくなりました。
しかし、スムーズにテレワークへ移行できる方もいれば、自宅では思ったように業務ができない、集中できないといった方もいます。
人によっては、自宅にネット環境が整っていない、パソコンやデスクがない、といったケースもあります。
このような方に対応するため、サテライトオフィスが活用されているのです。
また、トータルでのコスト削減や、遠隔地での優秀な人材の確保を目的として、サテライトオフィスの設置を実施している企業もあります。
今後も、こうした動きをする企業は増加すると考えられます。
>オフィス不要論は本当?オフィス縮小のメリット・デメリット、成功させるポイントを紹介
これまでオフィスで見ていた書類はどうするべき?
テレワーク環境下では、書類の閲覧や保管などの問題も生じます。
対策としては、電子化によるクラウド保存が挙げられます。
詳しく見ていきましょう。
書類・ファイルはクラウド化がおすすめ
文書は電子化し、クラウド化すれば社外から閲覧可能です。
わざわざ、必要な書類を会社へとりに行く必要がなくなり、社員の負担を軽減できるのです。
承認のフローも変更すれば、出社して上司に署名捺印してもらう必要もありません。
さらに、書類持ち出しによるセキュリティリスクも引き下げられます。
重要書類や印鑑を持ち出し、紛失や盗難などの被害に遭うと、情報漏洩による信用失墜につながりかねません。
電子化とクラウド化が実現すれば、こうしたリスクも回避できます。
書類を電子化しよう
テレワーク下における業務効率の向上を実現するにも、書類の電子化は必須です。
自社でスキャナーを用いて電子化するのもひとつの手ですが、どうしても時間と手間がかかり、人的な負担も増えてしまいます。
大量の書類を電子化したいのなら、外部のスキャンサービスを利用しましょう。
膨大な数の書類を短期間で電子化でき、ファイリングも代行してもらえます。
費用はかかりますが、効率よく文書の電子化が可能となるでしょう。
テレワークにおけるオフィスの在り方を再考しよう
テレワークを推進するのなら、オフィスの在り方を今一度考えてみましょう。
必要に応じて縮小化を進め、サテライトオフィスの設置も行えば、社員の多様な働き方を促進でき、大幅なコストダウンも図れます。
また、テレワークのメリットを最大限得るには、ペーパーレス化も避けては通れません。
ここでお伝えしたスキャンサービスの利用も検討し、文書の電子化を進めてみてはいかがでしょうか。