テレワークは、企業側にも社員側にも大きなメリットがある働き方です。
一方で、「テレワークのとき書類をどう管理すればよいのか」と戸惑ってしまう方も少なくありません。
本記事では紙書類の問題点や、テレワークやペーパーレス化に適用される補助金について解説します。
ペーパーレス化を実現し、テレワークでの業務をよりスムーズにしましょう。
紙の書類はテレワークの障壁に
自宅で業務ができるテレワークですが、紙の書類がさまざまな面で障壁となっていることをご存じでしょうか。
まずは、紙の書類を用い続けることで、テレワークにどのような影響を及ぼしているのかを把握することからスタートしましょう。
紙書類への捺印・サインで出社が必要になる
日本はハンコ文化が根付いている国です。
あらゆる面で近代化、IT化が進んだ近年においてもそれは変わらず、さまざまなシーンにおいて印鑑が用いられています。
企業の業務で用いる紙の書類にも、上司からの捺印やサインが必要となるケースが多く、在宅で仕事をしていても、わざわざそのためだけに出社しなければならないことがあるのです。
正直、これではテレワークのメリットが半減してしまいます。
通勤や退勤にかかる移動時間を削減でき、効率よく業務を進められることがテレワークの大きなメリットのひとつです。
それにも拘わらず、わざわざ捺印やサインのためだけに出社しなければならないとなれば、時間をムダにしてしまいます。
稟議や承認に時間がかかる
オフィスワークであれば、紙の書類を上司のもとへ持参し、承認してもらえば次のステップへ移行できます。
一方、テレワークの場合は書類を会社へ持参する、もしくは郵送するなどして承認を得なくてはならないため、必然的に時間がかかります。
結果的に、テレワークを導入する以前よりも業務効率が低下してしまうおそれがあるのです。
ペーパーレス化すれば、こうした問題を解決できます。
電子データをメールで送信し、承認の回答を得られればすぐ次のステップへ進めるのです。
こうした理由があるからこそ、テレワークで最大限の効果を得るには、併せてペーパーレス化も進める必要があるのです。
セキュリティ面でリスクがある
テレワークを導入した場合、社員が重要な書類や印鑑などを自宅に持ち帰るケースが発生します。
書類や印鑑が会社の外へ出るとなれば、目が行き届かなくなり、必然的にセキュリティリスクが高まります。
たとえば、社員が重要な書類や印鑑の入ったバッグを、どこかへ置き忘れてしまったとしたらどうでしょう。
親切な方が交番にすぐ届けてくれればよいのですが、そう都合よくはいきません。
悪意のある第三者の手にわたってしまい、企業の信用を失墜させる事態に発展するおそれもあります。
紛失や盗難以外にも、情報を盗み見されるリスクもあります。
カフェや電車、バスの中などで書類を見ているとき、周りの人から盗み見される可能性は否めません。
そこから情報が流出してしまうリスクは十分考えられます。
テレワークに向けてペーパーレス化を推進しよう
テレワークのメリットを最大限得るためには、ペーパーレス化も同時に進める必要があります。
ペーパーレス化を進めれば、これまで以上にテレワークでの業務がスムーズになり、コストカットや災害対策ができるメリットも得られます。
詳しく見ていきましょう。
ペーパーレス化とは?
契約書や請求書など、企業が事業活動で使用する紙書類の利用を減らし、電子データに移行することを指します。
紙の書類ではなくPDF文書を使う、タイムカードを廃止しクラウドで管理するなど、あらゆる場面でペーパーレス化は可能です。
ペーパーレス化を実現するにあたっては、すでに紙で保管している文書も電子化しなくてはなりません。
請求書や契約書などをスキャンし、電子データとして保存し直すのです。
既存の紙文書を自社で電子化するのは、相当な時間と労力を要します。
社員が本来の業務に集中できず、業務効率を低下させてしまうおそれもあるため、注意が必要です。
そこでおすすめしたいのが、スキャンサービスへの依頼です。
書類の電子化はもちろん、フォルダ分けやラベリングなどに対応してくれる業者もいます。
テレワークでの業務もスムーズに
電子化されたデータなら、手元に書類がなくても自宅からデータ化された文書を閲覧できます。
プロジェクトチームのメンバーで同時に閲覧ができるため、テレワークにおける業務効率向上の効果が期待できます。
自宅で紙書類を保管する必要がなく、必要な情報にスピーディにアクセスできるのも、大きなメリットといえるでしょう。
上司からの承認、捺印やサインをもらう手間も省けます。
セキュリティリスクを軽減する意味でも、ペーパーレス化の推進は必要です。
すでにお伝えした通り、テレワークではどうしても情報漏洩のリスクが高まります。
電子化された文書に、自宅からアクセスできる環境を構築すれば、紛失や置き忘れ、盗み見などによる情報漏洩リスクを軽減できます。
コストカット・災害対策などのメリットも
ペーパーレス化の実現は、テレワーク環境下においてさまざまなメリットを得られます。
テレワークに限らず、コストカットや災害対策ができるなどのメリットもあるため、現在では多くの企業がペーパーレス化を推進しています。
たとえば、紙文書を使用する場合、紙代やインク代、印刷代などのコストが発生します。
これらの書類を作成し封入、郵送する手間もかかるため、人件費もかかります。
電子化すれば、これらのコストを大幅に軽減できるのです。
また、災害時における紙文書の喪失リスクを軽減できるのもメリットです。
もし、すべての文書を紙書類で保管していた場合、洪水や津波などの災害で被害を受けたとき、すべて失ってしまうおそれがあります。
落雷による火災で焼失、といったことも考えられます。
しかし、電子化したデータなら、災害が起きても文書を守れるため安心です。
>テレワーク導入にはペーパーレス化が必須!重要性とポイントを解説
テレワークやペーパーレス化に適用される補助金
テレワークやペーパーレス化を進めるにあたり、気になるのは導入に必要な費用ではないでしょうか。
なるべくコストをかけずに進める方法もありますが、ここではテレワークやペーパーレス化に適用される補助金をご紹介します。
以下でご紹介する制度はすでに受付終了していますが、新たな補助金制度が制定されている可能性もあります。
今後新たな制度が誕生するかもしれないため、自治体のホームページを定期的にチェックしましょう。
IT導入補助金(受付終了)
ITツールを導入する際に発生する費用の一部を負担してくれる制度です。
ペーパーレス化に必要なソフトウェアや、導入にかかる費用などを一部負担してくれる制度で、A類型とB類型の2つがあります。
A類型は30~150万円、B類型は150~450万円の補助金が受けられます。
中小企業や自営業の方も対象としているため、企業の規模に関係なく利用できることがメリットです。
飲食や宿泊、運輸、医療、製造、建設などあらゆる業界に対応しています。
働き方改革推進支援助成金(受付終了)
こちらもすでに受付修了している制度ですが、テレワークの実施に要した費用を負担してもらえる制度として知られています。
テレワークを導入するにあたり、外部の専門家からコンサルティングを受けた場合や、研修、啓発活動、テレワーク用通信機器の導入などに要した費用を一部負担してもらえます。
テレワークを導入しようとしている企業が成果目標を設定し、目標達成状況に応じて支給額が変わるシステムです。
対象となる経費は、謝金や旅費、会議費、印刷製本費、委託費、機械装置等購入費などです。
テレワークに際して紙書類なしを目指そう
テレワークを導入しても、ペーパーレス化が進んでいなければ最大限の効果は得られません。
テレワークで業務効率化や業績向上、コストカットなどを実現するには、ペーパーレス化と並行して進めることを考えましょう。
ここでもお伝えしたように、ペーパーレス化を自社だけで進めるのは手間も時間もかかります。
スピーディにテレワークへ移行し、メリットを得るためにも、外部のスキャンサービスを利用してみましょう。
スキャンサービスは、対応してくれる範囲や費用などを比較しつつ選んでください。