オフィスでの資料や販促用のチラシなど、A4サイズの用紙が使用されるシーンは少なくありません。
では、A4サイズの用紙で印刷に最適な解像度がどれくらいなのか、ご存じでしょうか。ここでは、A4用紙の印刷に最適な解像度について詳しく解説します。
A4サイズの印刷に最適な解像度
A4サイズの用紙は、210×297mmの大きさです。
印刷に最適とされる解像度は、フルカラーと白黒で異なるため注意が必要です。
一般的に、フルカラーでは350dpi、白黒印刷のケースでは600dpiが最適な解像度だといわれています。
詳しく見ていきましょう。
フルカラーの場合は350dpi
多くの印刷会社では、フルカラー印刷時に300~400dpiを設定しています。
A3サイズ以下の印刷物において、350dpiの解像度を推奨している印刷会社も少なくありません。
これくらいの解像度が、A4サイズのフルカラー印刷でもっとも適しているといわれています。
なお、解像度が低いと画質が粗くなり、見た目が悪くなってしまいます。
フルカラー印刷は、イラストや写真などを印刷するケースで採用されることが多いため、解像度が低すぎるのはNGです。
では、解像度が高ければ高いほどよいのかといえば、決してそうではありません。
仮に解像度を500~1,000dpiと高く設定しても、人間の目ではほとんど違いを確認できないのです。
白黒の場合は600dpi
白黒の原稿でグレースケールなら600dpiが推奨されていますが、モノクロ二階調なら1200dpiが適しているといわれています。
フルカラーと違い、モノクロ印刷では黒色のインクしか使用しません。
1色しか使わないため、印刷時にエッジが立ちやすく画質も粗くなりがちです。そのため、高めの解像度に設定し仕上がりをよくしています。
フルカラー印刷のときと同様に、モノクロ印刷でも解像度を必要以上に上げる必要はありません。
ムダに高い解像度設定をしても、見た目に大きな違いは現れないからです。
解像度を大きくするほどデータは重くなり、出力時に時間がかかるデメリットもあります。
補足:解像度は用紙のサイズよりも用途から考えるのがおすすめ
印刷時の解像度を決定づける要素は、用紙のサイズではありません。
印刷する用紙サイズも重要ですが、それよりも用途を重視して解像度を決める必要があります。
どういうことなのか、詳しく解説しましょう。
近くで見るものは高解像度・遠くから見るものは低解像度
解像度が低いと印刷時の画質が粗くなり、高いと鮮明になります。
チラシやパンフレットなどは、近くで見ることが多く、解像度が低すぎると見にくいと感じてしまいます。
逆に、遠くから見るものは低解像度でもそこまで問題ありません。
ポスターや看板などが該当しますが、これらはサイズが大きいため、間近でまじまじと見ることはほとんどないのです。
遠くから見ることが多いため、多少解像度が低くても問題なく視認できます。
A4サイズのチラシやパンフレットなどが350dpiの解像度で印刷される一方で、ポスターは200~300dpi、看板は180dpiが一般的です。
WEBはディスプレイの関係で72dpiでOK
あまりにも低いと感じた方もいるかもしれませんが、WEBにおいては72dpiでもまったく問題ありません。
実際、日々パソコンを使用している方でも、解像度に大きな不満を抱いたことのある方は少ないのではないでしょうか。
WEBの場合、画像ではなく使用しているディスプレイの解像度に依存します。
つまり、どれほど高解像度の画像データであっても、ディスプレイの解像度に依存してしまうため意味がありません。
こうした理由から、パソコンのモニターで高画質な画像、映像を観たいのなら、素材ではなくディスプレイの解像度を気にする必要があります。
現在では、さまざまなメーカーから高解像度のディスプレイがリリースされているため、気になる方はチェックしてみましょう。
A4サイズ・350dpiの場合のピクセル数は?
ピクセルとは画素のことです。
デジタル画像における最小単位であり、ピクセル数が高くなるほど画質がキレイになるのです。
ここでは、A4サイズ350dpi時におけるピクセル数の求め方、解像度別ピクセル数早見表などをご紹介します。
用紙サイズ別350dpiのピクセル数
A判 | ピクセル数 | B判 | ピクセル数 |
A0 | 11589×16384 | B0 | 14193×20063 |
A1 | 8185×11589 | B1 | 10031×14193 |
A2 | 5787×8185 | B2 | 7096×10031 |
A3 | 4093×5787 | B3 | 5016×7096 |
A4 | 2894×4093 | B4 | 3541×5016 |
A5 | 2039×2894 | B5 | 2508×3541 |
A6 | 1447×2039 | B6 | 1764×2508 |
A7 | 1020×1447 | B7 | 1254×1764 |
A4サイズの解像度別ピクセル数早見表
解像度 | 用紙サイズ(A4) | ピクセル数 |
72dpi | 210 x 297 | 595×842 |
150dpi | 210 x 297 | 1240×1754 |
200dpi | 210 x 297 | 1654×2229 |
300dpi | 210 x 297 | 2480×3508 |
400dpi | 210 x 297 | 3307×4677 |
500dpi | 210 x 297 | 4134×5846 |
600dpi | 210 x 297 | 4961×7016 |
そもそも解像度とは?
解像度とは、デジタル画像の精度を指します。
スマホのカメラやデジカメなどで撮影した写真を、パソコンの編集ソフトで開き拡大すれば、いくつもの小さなドットで構成されていることが確認できます。
1インチあたりのドット密度を数値化したものを、画像解像度と呼ぶのです。
画像印刷のクオリティは、解像度に依存するといっても過言ではありません。
それゆえに、解像度を正しく理解しておく必要があります。
印刷物の用途や目的に応じた、ベストな解像度を設定しましょう。
>スキャンするときの解像度はどうしたらいい?用途に合わせて調整しよう
A4サイズの用紙に印刷するときの解像度まとめ
A4サイズの印刷に適した解像度は、フルカラーで350dpi、モノクロで600dpiが目安です。
実際には、印刷物をどのような用途に使用するのかで、解像度設定は変わります。
ここで解説した内容も参考に、もっとも適した解像度を導き出しましょう.