リモートワークやテレワークを採用する企業が増えた昨今、書類スキャン代行サービスに注目が集まりつつあります。
書類スキャンサービスの利用を検討しているのなら、依頼できることやメリット・デメリットなどを把握しておきましょう。
書類スキャン代行サービスとは?どこまで依頼できる?
そもそも、書類スキャン代行サービスとはどのようなものなのでしょうか。
依頼できること、対応している書類について把握し、自社で採用すべきかどうかの判断しましょう。
書類スキャン代行サービスとは
スキャニング業務を専門的に請け負い、関連サービスを提供している企業のことです。
専業で書類スキャン代行サービスを提供している企業は、専用機器や専門スタッフを有し、スキャニングのノウハウをフル活用してクライアントの依頼に応えます。
スキャニングを専門で行う企業もあれば、一部の印刷会社やBPO企業がサービスを提供しているケースもあります。
書類スキャン代行サービスに依頼できること
依頼できることは、OCR処理やフォルダ、ファイル作成、パスワードの設定、運用システムの構築など多岐にわたります。
企業によって対応できることが異なるため、事前に確認しておくと安心です。
スキャンは白黒・カラーどちらにも対応
白黒かカラーかは、目的や用途に応じて選べます。
スキャニングする内容によって、白黒で十分なケースもあれば、カラーが好まれることも少なくありません。
グレーカラーでのスキャニングに対応可能な企業もあります。
料金は企業によって異なりますが、一般的には白黒が割安です。
解像度によっても単価が異なるため、注意してください。
OCR処理
PDFの文字データを、コンピューターで検索できる文字コードとして変換することをOCR処理と呼びます。
これにより、スキャニングして電子化したデータをスムーズに検索し見つけ出せます。
スキャニング自体は専門企業でなくても可能ですが、OCR処理は専用のソフトと技術が必要です。
スキャニング代行サービスなら、書類のスキャニングとOCR処理を併せて依頼できます。
フォルダの作成
紙媒体の資料は、検索性を高めるためにバインダーで保管するのが一般的です。
書類スキャン代行サービスを利用すれば、電子化したデータをフォルダで整理してもらえるため、もとの書類と同じように扱えます。
フォルダは複数の階層で細かく作成してもらえることが多いため、検索性がより高まります。
ファイル名の作成
スキャニングを行う書類が膨大なケースでは、ファイル名をきちんと割り当てないと検索性が低下します。
書類スキャン代行サービスでは、書類データごとにファイル名を付与してくれます。
膨大な電子データに、自らファイル名を付与する作業は手間も時間もかかります。
書類スキャンサービスなら、このような作業も一括で依頼ができるのです。
パスワード設定
重要な書類や機密文書などに、パスワードを設定してもらえます。
秘匿性の高いデータに誰でもアクセスできる状態では、情報漏洩につながるおそれがあるため、パスワードを設定し勝手な閲覧を防止するのです。
情報の漏洩は、ときに企業としての評価を低下させかねません。
社会的信頼の失墜につながるおそれもあるため、必要な作業のひとつです。
運用システムの構築
書類を電子化しても、運用がしにくいと意味がありません。
適切に運用できるシステムを構築しないと、電子化する前より作業性が低下するおそれがあります。
書類スキャン代行サービスなら、検索や保管等を効果的にできるシステムを構築してもらえます。
その他オプション
書類のホチキス外しやバインダーのセットアップなどのオプションを用意している企業がほとんどです。
ほかにも、出張サービスやしおりの作成、バックアップ、リンク設定といったオプションが用意されていることも珍しくありません。
実際には、書類スキャン代行サービスを提供する企業によって、用意しているオプションの種類や数は異なります。
必ず事前に確認しましょう。
スキャンに対応している書類
建築土木や機械部品の図面、ビジネス文書や社内報、伝票などのスキャンに対応しています。
また、契約書やカタログ、マニュアル、名刺・書籍などもスキャニングによる電子化が可能です。
書類スキャン代行サービスによって、書籍スキャンへの考え方やルールなどが異なるため、事前に確認しておくと安心です。
書類スキャンを業者に外注するメリット
書類スキャンは、業者へ外注せずとも可能です。
しかし、現実には多くの企業が専門業者へ依頼していますが、その理由は何なのでしょうか。
サービスを利用する前に、どのような具体的メリットがあるのかを把握しておきましょう。
社内で文書電子化に取り組むよりコストを抑えられる
書類や図面などのスキャニングを自社で行う場合、一見無料のように感じますが、実は大きなコストが発生します。
社員は本来の業務に携われなくなり、機会損失や利益低下などが起きてしまうのです。
そのため、社内でスキャニングするよりも、お金を払って外注した方が利益的となるケースが珍しくありません。
文書電子化には知識やノウハウも必要です。
知識やノウハウを持たない素人が行おうとすると、膨大な手間と時間を費やすことにもなりかねません。
ムダなコストを増やさないためにも、専門業者への依頼がおすすめです。
大量の書類もスピーディに電子化できる
書類スキャン代行サービスを専門とする業者は、必要な機器やシステムを備えています。
またノウハウを持つスタッフが作業にあたるため、1日あたり数千枚~数万枚単位で対応できるのです。
これほど膨大な書類を自社でスキャニングし、電子化しようとすると、とんでもない手間と時間がかかります。
専門業者に依頼すれば、短期間でスピーディに膨大な書類を電子化してもらえるメリットがあります。
ファイルのタイトル付けをしてもらえるので検索性が向上する
専門業者へ依頼すれば、ファイルのタイトルもつけてもらえるため、必要な書類をすぐに見つけ出せます。
高い検索性が確保できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
社内でスキャニングする場合もタイトル付けは可能ですが、きちんとしたルールを定めて取り組まなければ、どこに何があるのかわからない状態になってしまい、電子化以前より利便性が低下する恐れもあります。
運用面まで考えると、スキャン代行サービスに依頼するのが安心です。
大判の書類も電子化できる
書類スキャン代行サービスを提供している業者の中には、大判書類をスキャニングできる機器を用意しているところもあります。
そのため、市販されているスキャナーでは対応できない、大きなサイズの書類のスキャニングも可能です。
たとえば、建築土木や機械部品などの設計図は、A0~A1といったサイズで印刷されているものが少なくありません。
このような大判の印刷物もスキャニングし電子化ができます。
スキャン代行サービスを格安で委託するには
スキャン代行サービスは、提供している企業により、依頼時の料金が異なります。
いくつかのポイントを覚えておくと、格安で業務を委託できます。
以下、スキャン代行サービスを格安で委託するポイントをまとめました。
解像度を不必要に高くしない
書類に対して適切な解像度を選択することが大切です。
高解像度でスキャニングすれば、高精細なデータで保管できます。
ただ、解像度が高くなればなるほど、単価が上がります。
スキャン代行サービスは、一般的に300・400・600dpiの解像度に対応しています。
300dpiと600dpiとでは、単価が5~7円ほど変わることも珍しくないため、解像度の選択には注意しましょう。
スキャンする書類を整理した状態で依頼する
業者の手間が増えると、それに伴い費用が高くなります。
ホチキスが外されていない、書類サイズがバラバラといった状態でも対応はしてもらえますが、オプション料金が上乗せされます。
バインダーから出す、ホチキスを外すなどしておくだけで、不要なオプション料金の発生を回避できます。
トータルでの費用を安く抑えたいのなら、書類を整理した状態で依頼しましょう。
もとの価格が安い業者に依頼する
スキャン代行サービスによって、基本料金や料金システムは異なります。
一般的には、書類サイズや解像度で価格が決まりますが、書類のカテゴリで料金が決まるところもあります。
同じものを依頼しても、業者間で大きく価格が異なることも珍しくないため、事前に複数業者のホームページを閲覧し、価格やサービス内容などを比較しながら選んでください。