複合機でスキャンができない原因は多々考えられます。
使用しているOSにより、原因や対処法が異なりますが、ここではWindows10のケースで解説します。
スキャンできないときのチェックポイントや、メーカー別エラーコードなども併せて見ていきましょう。
Windows10でのスキャンがエラーになってしまう原因と対処法
パソコンのパスワードやユーザー名などが変わると、スキャンができなくなることがあります。
また、ネットワークの種別やパスワード保護共有の設定変更、共有フォルダの設定解除などが原因になるケースも少なくありません。
ログイン・ユーザー名・パスワードを変更した
もし、パソコンのパスワード設定を変更したのなら、複合機でスキャンできなくなることがあります。
複合機には古いパスワードが登録されているため、新たな情報に更新してあげないと正常な操作ができないのです。
複合機にも新たなパスワードを使用し、その上で操作しましょう。
パスワードだけでなく、ホスト名が変わったときも同様に新たな情報に更新してください。
ネットワークの種別が変わった
突然スキャンができなくなったのなら、パブリックネットワークに接続されている可能性があります。
このケースでは、まずプライベートネットワークに接続されているかどうかを確認しなくてはなりません。
パソコンのネットワークアイコンをクリックし、[ネットワークとインターネットの設定を開く]から現状のネットワーク設定をチェックしましょう。
もし、パブリックネットワークに接続されているのなら、プライベートネットワークに変更してください。
パスワード保護共有の設定が変更された
Windowsがアップデートされた際に、外部からのアクセス設定が変更された可能性があります。
もし、直近でアップデートが行われていたのなら、この可能性を疑いましょう。
この場合は、ネットワークの検索を有効にすれば解決できます。
コントロールパネルから[ネットワークとインターネット]を選択し、[ネットワークと共有センター]をクリックします。
[共有の詳細設定の変更]から、[ネットワーク検索を有効にする]をクリックしてください。
また、[ファイルとプリンターの共有を有効にする]にもチェックを入れましょう。
共有フォルダの設定が解除された
共有フォルダのアクセス権がない可能性があるため、一度ネットワーク管理者への相談をおすすめします。
オフィスでの使用では、共有フォルダのアクセス権を勝手に変更するとペナルティの対象となるおそれがあるため注意してください。
プライベートでの使用なら、共有設定を変更しアクセス権を付与すればスキャンができます。
【Windows10】SMB1.0の設定の無効化されている
Windows10がバージョン1709にアップデートされている場合、SMB1.0が無効化されているためスキャンができません。
特に、古いモデルの複合機やスキャナーを使用しているケースでは、通常の操作ができなくなります。
コントロールパネルから[プログラムのアンインストール]→[Windowsの機能の有効化または無効化]と進みます。
[SMB 1.0/CIFS File Sharing Support]と[SMB 1.0/CIFS Server]にチェックを入れ、パソコンを再起動しましょう。
ゲストログオンの設定が無効になっている
Windowsのアップデートにより、ゲストログオン設定が有効になりスキャンができなくなるケースがあります。
安全でないゲストログオンに対し制限がかかり、共有フォルダへアクセスできなくなっているのです。
スキャン時にエラーが表示されるのなら、アクセス権をかけた共有フォルダを作成することで対処できます。
アンチウイルスソフトが原因になっている
ウィルスソフトの更新によりスキャンができなくなるケースも少なくありません。
このケースでは、ファイアウォール機能を一度無効にし、その上でスキャンを行ってみましょう。
もしスキャンできたのなら、ソフトが原因と考えられます。ウィルスソフト設定で、ポート番号と種別を有効に設定しましょう。
その他スキャンできない時のチェックポイント
ケーブル接続に問題があると、通常通りスキャンができないことがあります。
また、解像度が高く設定されている、USBハブに問題がある、といったケースでも同様です。
それぞれの原因と対処法を見ていきましょう。
ケーブルの接続に問題はないか
各種ケーブルが正しく接続されているか、チェックしましょう。
そもそも複合機が起動しないのなら、電源ケーブルが抜けている可能性もあります。
また、パソコンと接続しているUSBケーブルが抜けかかっていると、正常な操作ができないことがあるため注意が必要です。
一度抜いてさし直すと、改善されることもあるため試してみましょう。
ケーブルは消耗品のため、場合によっては新たなものへの交換も検討してください。
解像度が高く設定されていないか
ネットワーク接続している状態でスキャンを行うケースでは、高解像度に設定しているとエラーが発生するおそれがあります。
もし、通信エラーが発生しているケースでは、解像度設定を疑ってみましょう。
スキャンする原稿に適した解像度を設定すれば、問題は改善されます。
まずは、解像度を下げて試してみましょう。
USBハブに問題はないか
手軽にパソコンのUSBポート数を増やせるUSBハブですが、これが原因でスキャンできなくなるケースがあります。
ほかの対処法も試し、それでもスキャンができない場合は、USBハブに問題がある可能性も考えてみましょう。
この場合では、一度USBハブではなくダイレクトに接続して使用します。
それで通常通りスキャンができれば、USBハブに問題があったと考えられます。
メーカー別のエラーコード一覧
スキャンができないとき、エラーコードが表示されるケースが一般的です。
エラーコードから、エラー発生の原因や対処法を導き出せます。
ここでは、主要な複合機メーカーごとのエラーコードをご紹介しましょう。
リコー
「対応していないUSB機器が接続されました」「ワークエラー」などのエラーが表示されます。
実際には、シリーズやモデルにより表示されるコードが異なるため注意が必要です。
製品マニュアルにはエラーコードの一覧が掲載されているため、そちらをチェックしましょう。
参考:リコーのエラーコード一覧
キヤノン
#で始まるエラーコードが表示されます。
#001や#203のような形で表示され、それぞれでエラーの内容が異なります。
膨大な数のコードがあるため、表示されたら製品マニュアルで確認してください。
富士ゼロックス
エラーが発生すると、6桁の数字で表示されます。
メーカーの公式ホームページにはエラーコード検索のページがあり、そこからコードの意味を調べられます。
フォームにコードを入力し検索してみましょう。
コニカミノルタ
C0002やCD013など、アルファベットと数字を組み合わせたエラーコードが表示されます。
こちらも膨大な数がありますが、メーカーの公式ホームページにエラーコード一覧の専用ページが用意されています。
まとめ
スキャンができない状態が長く続いてしまうと、作業が滞り業務効率の低下も招いてしまいます。
スピーディに原因を探り、なるべく早く解決しましょう。
ここで解説した内容もぜひ参考にしてください。